こんにちは、かのんです(≧▽≦)
前回、行動経済学の説明をする中で、一日の選択回数の話になりました。
本日はその意思決定について心理学と脳科学の視点でお伝えいたします。
意思決定の仕組みと手順化を知れば、脳への負荷を減らし、効率化、生産性を上げて、更には選択の失敗を減らすこともできます。
この記事ではこんな悩みを解決できます♪(≧▽≦)
- 「意思決定とは?」
- 「人生は選択の連続?」
- 「自分で意識して決めている?」
- 「脳の負荷は減らせる?」
- 「手順化で失敗を減らせる?」
【脳科学】人生は選択の連続、後悔しない選択をするための方法を簡単に解説
毎日の意思決定
私たち人間は起きてから眠るまでの間に多くの選択をしています。
選択し、行動する、その繰り返しです。
この一連の流れを意思決定と言います。
では一日にどのくらいの数の選択をしているか、考えたことはありますか。
500、1,000、2,000、5,000、10,000、、、
何回くらいが浮かびましたか。
正解は。
私たち人間は毎日35,000回以上の選択をしています。
そんなにしている実感がない方も多いかと思います。
では今朝のことを振り返ってみてください。
あなたは今朝、起きて先ず何をしましたか。
目覚まし時計やスマホのアラームを止める。
その為に手を伸ばす。
どちらの手で。
スマホを手にしたあなたは次に何をしましたか。
時間を確認する。
通知を確認する。
確認してからあと5分と布団に潜る。
細かく言うとキリがありませんが、目を覚ましてから起きるまでのわずかな時間にも、多くの選択をしていることが分かると思います。
行動を起こす前には必ず決定があります。
決定する前には、多くの選択肢から選択する必要がありますよね。
人生とは選択の連続という言葉がありますが、小さな選択も含めると、文字通り私たちは常に選択に迫られているのです。
シミュレーションゲームの重要な場面では、2~3の選択肢の中から選択することになりますよね。
選んだ選択によってその後のストーリーが分岐していくことになります。
じゃんけんでは瞬時に何を出すかを選択しますよね。
私たちの毎日はじゃんけんのような選択を毎日繰り返しているイメージです。
それだけで脳への負荷が凄そうですよね。
私たちは毎日、35,000回以上もの選択を迫られている。
意思決定の上限回数
毎日の意思決定に上限回数はあるのでしょうか。
脳科学の研究によって、人間の意思決定できる数には上限があることが明らかになっています。
それは何回なのでしょう。
私も気になって調べましたが、正確に何回までと定義するのは困難なようです。
個人差もありますし、選択の重要度や、本人の体調や気分など、様々なことに影響されます。
ではその日々変動する上限回数を超えると、どうなってしまうのでしょうか。
ヒトコトで言うと、冷静な判断が出来なくなることが分かっています。
これまでの人生を振り返って、冷静な判断が出来なかったことは誰にでもあるでしょう。
いま思えば、何故あの時、あんな選択をしてしまったのだろう、そう思って自己嫌悪になることもあるかと思います。
このメカニズムを具体的に解説すると長くなってしまうので簡潔に説明いたします。
意思決定の処理は脳で行います。
決定回数が上限を超えると脳に負荷がかかります。
それは脳にとってストレスの状態です。
脳を守るためにストレスを発散させる必要がありますね。
ヤケになって行動すると言えば分かりやすいでしょうか。
つまりはこれが冷静な意思決定が出来ない要因です。
ヤケになって行動して後悔した、そんな経験はありませんか。
苦い思い出ですよね。
そうならない為に、出来るかぎり脳にストレスを溜め込まない工夫が必要となります。
つまり、意思決定の回数を減らす工夫が必要ということです。
意思決定の回数を減らすことで脳にかかるストレスを軽減することができる。
脳への負荷を減らすには
意思決定の回数を減らすことで脳にかかるストレスを軽減するというお話をしました。
その理由は、脳へのストレスが溜まると冷静な判断が出来なくなり、そのストレスを発散させるために、ヤケになって行動してしまうからです。
ストレス=負荷とお考えください。
意思決定の回数を減らすために、どんなことができるでしょうか。
意思決定とは数ある選択肢の中からひとつを選び行動することです。
その回数を減らすことが出来れば、脳への負荷を減らすことが出来ますよね。
ここではその具体的な方法をお伝えいたします。
と言っても、私たちは既に、毎日の生活の中でこれを実践しています。
意思決定の回数を減らす方法。
それはマニュアル化してしまうことです。
いくつか例をあげてみましょう。
- 起きたら先ず水を飲む。
- 顔を洗ったら歯を磨く。
- 毎日履く靴下を用意しておく。
- 一番上に置いてあるタオルを取る。
- 朝ごはんはバナナで固定化。
- 電車はいつも同じ位置から乗る。
- スマホを置くときは充電器に繋ぐ。
- コップを使ったら水に浸ける。
- 鍵はいつも定位置に置く。
- メールチェックしたら翌日までに返信。
適当に10個並べてみましたが、まさにマニュアルですよね。
あなたの中にもこういったマニュアルがあるのではないでしょうか。
このマニュアルの数や質は人それぞれですが、タスク処理が早い人ほどマニュアルが作りこまれているということが分かっています。
例えばアップルのスティーブ・ジョブズが毎日同じ服を着ていたことは有名ですよね。
毎日、今日はどの服を着ようと悩み、考え、選択する時間をなくし、脳への負荷を減らす効果があったわけですね。
初心者に配られるマニュアルも同じことが言えます。
AならB、CならDと、予めマニュアル化して手順化することで、考える時間を減らす、つまりは効率化することで脳への負荷を減らしています。
これは生産性を上げることにも繋がるでしょう。
毎日の意思決定をマニュアル化することで脳への負荷を軽減できる。
2種類の意思決定
脳への負荷を減らすためには選択の回数を減らすことが重要です。
そして選択の回数を減らすために意思決定をマニュアルにして手順化することをお伝えいたしました。
でも実は私たちの意思決定には2種類あります。
①毎日、多くの人に当てはまる意思決定。
②毎日、個人ごとに異なる意思決定。
①毎日、多くの人に当てはまる意思決定。
こちらは多くの人に当てはまるものです。
朝、起きて、アラームを止めて、顔を洗い、歯を磨き、支度をして家を出る。
こういった選択は多くの人に当てはまるものと言えるでしょう。
②毎日、個人ごとに異なる意思決定。
こちらはあなた特有のものです。
例えば、朝はパンと決めている、バナナと決めている、スープだけと決めている。
こういったものは誰にでも当てはまるものではなく個人差がありますよね。
多くの人に当てはまるケースの場合は、効率の良い手順をマニュアル化してその通りに真似してしまうのが早いでしょう。
ビジネスではコンピテンシーに繋がります。
組織の役割に応じて安定的に且つ、ハイパフォーマンスをあげ続けることができる行動特性のこと。
あなた特有のものであれば、朝はコーヒーとパンのように予め自分専用のマニュアルを作っておくことで手順化できます。
こんな風に話すと、
「朝ご飯に何を食べるかなんて、その日の気分によって違うのだから、予め決めておくなんて味気ない」
「仕事じゃないのだから、そこまでして効率化を追求して、家でまで生産性なんて考えたくない」
そんな風に感じる方もいらっしゃると思います。
もちろん全ての意思決定をマニュアル化する必要なんてありません。
予め決めていたマニュアルを破り、「今日は違う道で帰ろう」そんな風に考えても大丈夫です。
「やりたい」「やりたくない」という意思がはっきりしているのであれば、その判断に従えばいいのです。
ただ、毎日の意思決定はやりたいかやりたくないかでは決められないはずです。
そしてその大半は無意識の中で選択されていることが多いのです。
スマホを取るときに毎回どっちの手で、なんて考えませんよね。
歯磨き粉を使うか使わないか、髪を拭くか拭かないか、玄関の鍵を閉めるかどうか、いちいち考えて、悩んで、選択することは少ないはずです。
それらの無意識の部分をある程度、マニュアル化することで固定化してしまえば、意思決定の数を減らし、脳の負荷を減らし、その分、他のことを考える時間が生まれます。
そうすればもっと重要な意思決定に、しっかりと考える時間を増やすことができます。
ヤケになって行動することを予防できますので、後悔するような選択を減らすことができるでしょう。
身近なこと、取り入れやすいことから、意思決定のマニュアル化を意識してみてはいかがでしょうか。
私の場合は朝が弱いので、起きてから家を出るまでの手順は出来る限り決めてあります。
そうすることで余裕を持って家を出ることができます。
余裕があることでまた、急な選択にも対応する余裕が生まれます。
例えば電車が止まって迂回しなくてはいけないなど、予期せぬ事態によって急な選択が増えることはありますよね。
そういった急な選択に対しても、予め脳の負荷を減らすこと、つまりは選択の回数を減らすことでヤケになって行動して後悔することを予防できます。
急な選択にも対応する余裕が出来るということですね。
意思決定の回数を減らし脳への負荷を軽減すれば後悔する回数も減らせる。
選んだつもりで選ばされている
意思決定の回数を減らすことで脳への負荷を軽減することができます。
脳への負荷を減らすことが出来れば、ヤケになって行動することを予防できます。
そうすることで後悔してしまうような行動も減らすことが出来ます。
ただ、先ほどもお伝えしたように、毎日の意思決定の中には、やりたいかやりたくないかでは決められないことも多々あります。
そしてその大半は無意識の中で選択されていることが多いのです。
それではこの無意識について考えてみましょう。
あなたは毎日の選択をすべて自分の意思で行っていると思いますか。
もちろん自分の意思で行っている、そうに決まっている、そのはず、、。
そんな風に感じる方、そう思いたい方もいらっしゃいますよね。
私だってそうでした。
ですが実際のところ、選んだつもりで選ばされていることもたくさんあるのです。
では一体、誰に選ばされているのでしょう。
イメージしてみてください。
誰だと思いますか。
複雑な話ですが、簡単に言えばそれは。
過去の自分自身です。
正確に言えば、これまでに積み上げてきた自分自身です。
ちょっとややこしいですよね。
小さな子供でイメージしてみてください。
お子様がいらっしゃる方は、お子様のことを思い出してください。
5歳くらいでイメージしてみましょうか。
小さな子供は、突拍子もないことをするイメージがありますが、実際のところその行動は過去の体験の反復です。
もっと言えば、過去の成功体験の反復です。
例えば、絵を描いたらお母さんが褒めてくれたとします。
そしてある日、お母さんは掃除に洗濯に忙しく、子供を構っている時間がなかったとします。
すると子供はお母さんの注意を引きたくて、また絵を描いて、洗濯物を干しているお母さんのところに見せに行きます。
これは過去の成功体験の反復です。
この時、お母さんが相手にしなかったとします。
すると子供は大きな声を出したり、泣き出したりすることもありますよね。
これも過去の成功体験の反復です。
そうすることでお母さんが相手をしてくれた、構ってくれた、過去にそんな場面があったのでしょう。
それは分かるけど、それは子供だからでしょう、そう思う方もいるかもしれませんね。
でもどうでしょうか。
お母さんと子供、先生と自分、恋人と自分、上司と自分、店員と自分でもよいです。
当てはまるのは子供だけではないはずです。
私たちはこれまでの経験から、こうすればこうしてもらえるんだ、こうしたらこんなふうになるんだ、といったことを学習しています。
その積み重ねでいまの自分の考えが構築されているとも言えます。
これを行動療法で社会的学習理論と言います。
これまでの経験で学習した成功体験、これによって作られた自動思考とスキーマ、更には様々な心理作用が意識的にも無意識的にもあなたの選択に影響を与えているのです。
行動療法の理論。他者を介して自らも新しい行動を習得したり変容していくこと
認知療法の用語。経験や環境で身に付けた、状況に応じて自分の意思とは関係なく湧き出る思考
認知療法の用語。自動思考を生み出す枠組みになっている考え方の癖
行動療法、論理情動療法、認知療法などを合わせて現在では認知行動療法が一般的。
※学習理論、自動思考、スキーマについてはまたの機会に詳しくお伝えいたします。
少し話が逸れてしまいましたが、毎日の意思決定は都度、自分の意思で選んでいるわけではなく、過去の自分が積み上げてきた考え方の影響を受けています。
例えその積み上げてきたものが間違っていたり、歪んでいたとしても、その影響を受けて選んでしまうのですね。
意思決定は過去の成功経験によって構築された自分自身の影響を受けている。
まとめ
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