こんにちはっ♬ かのんです(≧▽≦)
恋活、婚活、就活など、人生全般の心理カウンセラーをさせていただいています。
国家資格のキャリアコンサルタントでもあります。
本日は、フロイトの精神分析的カウンセリングについてお話させていただきます。
フロイトは有名ですよね。
みんなはじめはフロイトから教わったと習いました♬
精神分析はウィーンの医師フロイトによって創始されました。
人間の心理的援助理論として最も早く開発され、現在のカウンセリング界にまで根強く影響しています。
今でこそ、外傷がなくとも心が傷つけば身体に反応が現れることは周知の事実ですが、それを解き明かしたのがフロイトです。
「心理学に興味がある」
「精神分析に興味がある」
「カウンセリングに興味がある」
「国家資格の取得を目指している」
「自身や大切な人のメンタルを守りたい」
それではいってみましょう~♪
よろしくお願いします。
【心理学】知らずに心は語れない?精神分析の父 フロイトのカウンセリングを簡単に解説‼
カウンセリングの4つのアプローチ
本日お話する感情的アプローチとはカウンセリングの4つのアプローチのひとつです。
カウンセリング理論はアプローチの仕方によっていくつかに分類されることがあります。
木村周先生の著書 『キャリアコンサルティング理論と実際』によれば以下の4分類とポイントがあります。
感情的アプローチ | クライエントが目的を達成したり、自己実現するのを援助する過程で、感情の果たす役割を重視する。 |
認知的アプローチ | 思考過程を強調し、概念やビリーフが感情や行動に及ぼす影響を重視する。 |
行動的アプローチ | 目標達成における行動、および破壊的・環境的要因を重視する。 |
包括的(折衷的)アプローチ | 人は感情を持ち、思考し、行動し、かつ成長・発展する、という観点をふまえ、理論のどれかひとつに限定しない。 |
この『キャリアコンサルティング理論と実際』は、キャリアコンサルティング試験の出典元ナンバー1。
例えば、第9回や第10回の学科試験では、全50問の内、4分の1はこちらの著書から出ているほどです。
その為、資格取得を目指す受講生からすれば必須の教材とされています。
私は資格学校に通い勉強しましたが、最初に購入したテキスト一式の中に入っておりました。
授業でも何度も登場し、「何ページを開いて」「ここマーカー引いて」と、読み上げがありました。
この先も資格取得を目指す方には、なくてはならない一冊となることでしょう。
ここまで書いておいてなんですが、試験対策中、私は開いたことはございません笑
ですが、資格取得後に開いてみると、試験に出題されたあれは「ここに載ってたのかぁ、、、」そう感じる箇所が多々ありました。
これから資格取得を目指される方は是非、繰り返し読むことをオススメいたします。
また、資格取得後、実際にクライエントと面談していくようになった時こそ、この本の価値を実感できることでしょう。
精神分析療法の創始者 フロイト
心理学やキャリコンに興味のない方でも、フロイト(Freud,S.1856-1939)に関しては聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。
私が初めて知ったのは中学1年生の時、新聞で読んだのがきっかけでした。
映画や小説、アニメや漫画と、多岐に渡りよく出てきますので世界的に知名度が高いと思います。
学科試験的には、「精神分析」「防衛機制」「無意識」というワードが出てくれば「あ、これはフロイトのことを言っているんだな」と、考えてもらって大丈夫です。
フロイトの精神分析療法の創始に影響を与えたと考えられているのが、アンナ・Oの症例です。
アンナ・O(Anna,O.1859-1936)は裕福な家庭で育ち、知的で魅力的な女性でありながら、気まぐれで言い出したら聞かないところがあったとされます。
アンナは当初、J.ブロイアーによって1880年から1882年まで治療されていました。
フロイトとブロイアーは旧知の友人であり、フロイトはブロイアーからアンナの症例と回復の過程を聞くことによって、精神分析の着想を得ることになったと言われています。
今でこそ、精神的なことや心理的なこと、心のことで、
・胃が痛くなる
・頭が痛くなる
・食べられなくなる
・寝られなくなる
などの症状が「身体」つまり表面に出てくることは知られていますが、
この時代ではまだ、外傷がない心の問題だけで日常生活に支障をきたすほどの症状が出るということに対して、症例や実証データに乏しく、周囲が理解することは困難だったようです。
簡単に言えば、「仮病だと思われてしまう」そんな時代だったとイメージしてください。
そんな時代にフロイトは、「精神的な起因、心の問題でも、身体は苦しくなるんだ」ということを、アンナ・Oの症例から着想したと言われています。
「〇〇が起きてツラいのはお察しいたしますが、、、」
・仕事を休むほどなのですか?
・それ仮病ではないのですか?
・気の持ちようではないですか?
・弱くないですか?
そんな風に思われてしまう、誤解されてしまう、そんな時代だったのですね。
「今でもそういう風潮はあるなぁ、、、」そう感じる方もいるかと思います。
まさにその通りで、だからこそカウンセラーやキャリコンが必要なのですね。
以上のことからフロイトは「精神分析療法の創始者」と呼ばれています。
精神分析的カウンセリング
精神分析は、フロイトによって創始された、人間の心理的援助理論として最初に開発された理論で、現在のカウンセリングにも根強く影響を及ぼしています。
先に述べた精神分析的療法と精神分析的カウンセリングは広義の意味としては同じで、狭義としては別物だとお考えください。
もっと簡単に言えば、医療としての療法とカウンセリングは別物としてお考えください。
精神分析的アプローチでは、現在の行動と過去の経験を関連付けて考えます。
また、クライエントのパーソナリティ変容をもたらしてはじめて成果があったことになります。
精神分析の人間観
「人は自分の知らない自分=無意識に動かされている」
「人間=本能の塊である」と見なし、
「生きていく上でのエネルギーは、すべて本能部分が源であり、それを分化させていく」
「本能や欲求をいかにコントロールし、人間にふさわしい理性や良心を培っていく過程が発達である」
精神分析の理論
フロイトは催眠を用いた治療からヒステリー研究を経て、精神分析を考案、多くの理論を展開しました。
- 心理的不適応は、
無意識下に抑圧されている不安や葛藤が引き起こしている。 - 無意識を意識化し、
それを受け入れられるようにしていくことが治療と考える。 - 自由連想を通じて抑圧した何かがないか、
問題の要素を探り、無意識を意識化し、洞察が深まれば、問題は解決する。
構造論(心のモデル)
当たり前ですが人間の心は目には見えません。
例えば転んで膝を擦りむいた時は、その外傷に対して適切な治療を施すことになりますが、人間の心は目に見えないので、適切な処置を施すことが難しいですよね。
フロイトは先ず、この目には見えない人間の心を可視化することを考えたのですね。
フロイトは人間の心は3層から成り立つとしました。
エス(イド) | 衝動的な本能エネルギー(本能の坩堝) | 快楽原則で欲求 |
自我 | 現実認識の力 | 現実原則でバランスを取る |
超自我 | 人間として生きる上での理想的な良心 | 道徳原則で律する |
自我は、エスや超自我の刺激をコントロールしながらバランスを取ることで自分らしさを保とうとします。
エス | それ | アクセル |
エゴ | 私 | ブレーキ |
※フロイトの原文では上記のように説明されています。
局所論(心のもうひとつのモデル)
フロイトは人間の心は3層から成り立つとしました。
局所論では、人間の心は水面に浮かぶ氷の塊で説明されることがあります。
意識 | 意識化できる(水面にあり見えている) | 快楽原則で欲求 |
前意識(無意識の一部) | 努力により意識化できる | 現実原則でバランスを取る |
無意識 | 意識化できない(水面下にあり見えていない) | 道徳原則で律する |
フロイトは、性本能を発現させるエネルギーを「リビドー」と名付けました。
無意識の底にエス(イド)があり、リビドー(欲動)の源でもあります。
- 無意識とは「抑圧」されたものからなる領域。
- 本人の努力だけでは意識化が困難。
- 精神分析で意識化することで扱える。
心理性的発達論
フロイトは心(自我)の発達を、リビドーの出現の仕方や充足の在り方によって5つの段階に分類しました。
口唇期 | 生後~1歳 | 授乳・摂食によって口唇から快感を得る時期。 |
肛門期 | 1歳半~3歳 | 排泄器官の神経発達による排泄コントロール、肛門周辺の快感による満足を得る時期。 |
男根期(エディプス期) | 3歳~6歳 | 異性の親への愛着、同性の親への敵意、罰せられる不安というエディプス・コンプレックスと去勢不安。 |
潜伏期 | 6歳~12歳 | 児童期で性的欲求より知的・社会的関心が強まる。 |
性器期 | 12歳~ | 身体的成熟に伴い、自他愛から対象愛へと変化。 |
それぞれの時期に欲求が十分に満たされなかったり、逆に過剰に満たされたりすると、リビドーの固着という現象が生じ、精神・性発達がある段階でとどまってしまい、それが性格傾向に影響を与えると唱えました。
心理的不適応や思考、行動上のこだわりなどは、口唇期や男根期に由来していることがあります。
固着があっても、通常は発達段階を進むが、欲求挫折があると退行が生じてしまいます。
その人のパーソナリティーは、生まれながらのものではなく、育つ環境で変わると唱えました。
防衛機制
「自我が心を守る・心が自我を守る」
意識として受け入れが困難な耐え難いことに直面すると、自我が意識に受け入れ可能な形に処理する心の働きのことです。
つまり心が心を守る働きのことです。
【9つの無意識で行われる防衛機制】
抑圧 | 認められない欲求やツラい感情や記憶などを、無意識の層に閉じ込めて、意識に上がらせないようにすること。アンナ.Oのケース。 |
否認 | 依存症と言われても認めないなど、出来事の一部や全体を拒否し存在しないことにすること。 |
反動形成 | 好きな子をいじめてしまうなど、受け入れがたい感情や欲求を抑圧し、反対の態度を取ってしまうこと。 |
置き換え | 八つ当たりや妥協など、本当の欲求を抑圧し、身近で手に入れられる欲求で充足すること。 |
合理化 | 「すっぱいぶどう」など、満たされなかった欲求に対して正当化した説明(言い訳)をつけて現実から目を逸らすこと。 |
摂取(同一化) | 話し方など一部あるいは全部を、無意識に取り入れ、自分のものとして振る舞うこと。 |
補償 | 運動苦手だから猛勉強するなど、他の部分を優位にしたり、優位に立つことで、劣等感を埋めようとすること。 |
投影(投射) | 疑心暗鬼など、自分が持っている社会的に望ましくない感情を、相手が持っていることにして責任を転嫁すること。 |
知性化 | 理屈っぽくなること。感情面に目を向ける代替に知性面に目を向け、知識を集めたり抽象化することで知的な態度を取ること。 |
【5つの意識して行われる防衛機制(成熟した防衛機制)】
抑制 | 意識して意図的に思い出さないようにするなど、意識の外に追い出すこと。「抑圧」はその過程を意識できないのに対して、意識的に行われること。 |
愛他主義 | 自分では満たすことのできなかった欲求を、他者が満たすことができるように献身的に尽くすこと。 |
ユーモア | 苦痛における不快な感情などを、笑いなどに転換することで発散、解放し苦痛を凌駕すること。 |
昇華 | 社会的に認められない欲求や、満たされなかった欲求を、スポーツなど別の社会的で価値のある行動へ転じたり、別の目標達成で満たすこと。 |
予期 | 将来生じる不快な感情に対する現実的な予期、それに対して対処するための計画をすること。 |
フロイトの精神分析療法
フロイトの精神分析療法は対象に応じて様々ありますが、ここでは代表的な5つについてお話しいたします。
学科試験対策としては、「自由連想法」「夢分析」「転移」と出てくればフロイトだと覚えましょう。
実際のカウンセリングの場では、「転移と逆転移」に遭遇する場面があります。
この時、カウンセリングされているクライエントだけでなく、カウンセラー側にも自覚がないことが散見されます。
①自由連想法
フロイトが好んで使っていたとされています。カウチに横たわり思い浮かぶ言葉を語っていただきます。
カウチ=自由連想法=フロイトと覚えましょう。
- 平等に漂う注意←特定の言葉にフォーカスせず全体的に注意
- 引っ掛かり(無意識への入り口)
- 解釈
- クライエントの自己洞察(気づき)
- 徹底操作(自己理解の深まり)←戻ろうとするのを止めて繰り返す
②夢分析
フロイトの解釈では、夢は無意識が抑圧され変形・加工されたものです。
夢分析では、夢に現れたものを自由連想法で紐解き、潜在的思考を顕在化させていきます。
③介入と解釈
明確化 | 内容について明確にすること。最も多用される。 | クライエントは言語化していないが、なんとなく気付いている事を明確にしていくこと。 |
直面化 | クライエントの無意識の重要な問題を直視するように促し、現実と照合する。 | 受け入れがたい感情や記憶に向き合っていくこと。 |
明確化を行うためには言語情報=バーバルコミュニケーションだけではなく、非言語情報=ノンバーバルコミュニケーションが不可欠でしょう。
直面化の際には次項の「抵抗」が予測されます。
④抵抗の分析
「抵抗」とはクライエントによって耐え難い、抑圧されていた意識が現れそうになると、それに蓋をするような思考や行動が生じることです。
「抵抗」を分析することで「防衛」や無意識の過程を明らかにしていきます。
⑤転移と逆転移
【転移】
クライエントにとって重要な誰かに抱いてきた感情をカウンセラーに向けること。
カウンセリングの場面では、過去の重要な人物=親に、向けられていた感情や態度を、現在の重要な人物=カウンセラーに、対して的外れな形で反復することがあります。
カウンセリングが上手くいっている時にこそ発生することがありますが、転移を起こしては駄目なのではなく、生じた転移をカウンセリングの材料に出来るかが重要です。
また、転移には「陽性転移」「陰性転移」があります。
【逆転移】
カウンセラーの個人的な葛藤に由来するクライエントへの感情。
逐語禄やフィードバック、スーパービジョンで客観視するとよいでしょう。
今回のまとめ
今回はフロイトの精神分析的カウンセリングについてまとめました。
医療とカウンセリングはまた異なりますので、彼のことを、精神分析療法として語るか
精神分析的カウンセリングとして語るかは、似ているようで大きく違います。
現在も諸説あり、アンナ.Oのエピソードも賛否ありますので気になる方はこちらもオススメです。
昨年の「嫌われる勇気」で話題の自己の「劣等感」や「勇気づけ」が特徴のアドラー。
「夢分析」や「分析心理学」を提唱し、一時期はフロイトの後継者と言われていたユング。
適応論的な見地から外的環境を重視する、フロイトの娘アンナ(アンナ.Oではありません)
多くの理論家がいて、覚えきれないほどの理論があり、現在も学会レベルで4000以上に分かれると言われています。
フロイトに対しても様々な意見や解釈がありますが、私はそのどれかをひとつを支持するものではありません。
ただ、彼の提唱した「精神分析」が、すべての根幹のひとつであることは疑いがないと思います。
「精神的な起因、心の問題でも、身体は苦しくなるんだ」
フロイトの言葉や想いは受け継がれ、いまなお広がり、形を変え、発展しながら、
誰かの心の葛藤に寄り添っていきます。
私もそのひとりとして、恥じることのないよう誰かの人生をサポートできるよう
自己研鑽は尽きません。
それでは今回はこの辺で~♪
読んでくれてありがとうございます。
かのんでした(≧▽≦)☆