こんにちはっ♬ かのんです(≧▽≦)
恋活、婚活、就活など、人生全般の心理カウンセラーをさせていただいています。
今回は行動経済学について簡単に解説いたします。
行動経済学?経済学とは違うんですか?
簡単に解説しますね♬
最近よく目にする行動経済学。職場でもネットでも書店でも見かけますよね。
経済学と付いているとなんだか難しそうだし、自分には直接関係がないと思っている方も多いようです。
でも、行動経済学を知らないと損をしてしまう可能性が高いです。
何故なら、行動経済学というのは、皆さんの毎日の生活の中に溢れているからです。
特にマーケティングの世界では既に当たり前に使われているんですね。
学校でもバイトでも、仕事でもデートでも、ネットでも、触れない日はないと言ってもよいでしょう。
その為、行動経済学を知ることは毎日の生活に活かせます。
逆に言えば、知らないと損をしていることもあり得るということになります。
そこで今回は、知らない人だけが損をしている行動経済学を簡単に解説いたします。
難しく考える必要はありませんし、ここに書いてあることを全部覚える必要もありません。
ですが、流し読みするだけでも明日から活かせるはずです。
「行動経済学とは?」
「経済学とどう違う?」
「日常生活との関連は?」
「代表的な理論とは?」
「どんなことに応用できる?」
それではいってみましょう~(≧▽≦)
よろしくお願いします。
【心理学】知らないあなたは損をしている?マーケティングに溢れる行動経済学を簡単に解説
行動経済学とは
行動経済学をヒトコトで言うなら経済学と心理学を足した学問です。
その為、先ずは経済学と心理学についても知る必要があるでしょう。
経済学とは
私たちの生活に必要なものを生産、流通させる経済活動を研究する学問。
心理学とは
私たちの心と行動の仕組みや法則を、科学的に研究する学問。
では何故このふたつを足す必要があったのでしょう。
経済学の歴史の中で、人間は合理的に行動すると考えられてきました。
その前提で経済学があると言ってもよいでしょう。
しかし実際にそうでしょうか。
何かを選択する時、お買い物で買うか買わないか迷った時、どちらを買うか迷った時、私たちは常に、合理的な判断が出来ているでしょうか。
イメージしてみてください。
①格安スマホのほうが割安なのに、3大キャリアを使い続ける。
②ファストファッションのが安価なのに、贈り物にはブランド品を選ぶ。
③健康的には良いとは言えないスイーツを、並んでまで食べに行く。
いかがでしょうか。
そこにはこれまでの経済学では説明のつかない経済学的アノマリー(矛盾、例外)があります。
合理的に考えればその選択が正しいとは言えないはずなのに、非合理的な選択をしてしまうのが私たち人間です。
その背景には私たち人間の感情や心理作用の影響があります。
こうした非合理的な私たち人間の行動を解き明かす為に、経済学に心理学を足して生まれたのが行動経済学なのです。
行動経済学の起源
前項でお伝えした通り、経済学は「人間は合理的な行動をする」という前提で研究されてきた学問です。
しかし人間の選択は、感情や心理作用の影響を受ける為、合理的とは言えない選択=非合理的な選択が多いのも事実です。
これまでの経済学では説明のつかない経済学的アノマリー(矛盾、例外)に対して、行動経済学は当初、経済学に対する批判的な研究として生まれました。
1979年、認知心理学者だったダニエル・カーネマンは、同僚のエイモス・トヴェルスキーと共に、経済学の論文誌「エコノメトリカ」に行動経済学の基礎となるプロスペクト理論を発表しました。
1990年代以降、行動経済学は急速な発展を経て、米国では主流経済学の一部として扱われるようになります。
そして2000年代以降、わずか15年の間に、行動経済学の分野で3人ものノーベル経済学賞を輩出します。
- 2002年 ダニエル・カーネマン
プロスペクト理論により行動経済学の基礎を築きノーベル経済学賞を受賞。 - 2013年、ロバート・シラー
金融バブルを予見し行動経済学の業績を評価されノーベル経済学賞を受賞。 - 2017年、リチャード・セイラー
経済学の意思決定に心理学の現実的な過程を取り入れノーベル経済学賞を受賞。
行動経済学が注目されるようになったのは、経済学の対象が経済から個人に移り変わってきた背景があります。
ITの進化と発達により、私たち人間は24時間、なにかしらの形でITに触れており、個人単位のデータ収集や分析が容易になっていることも要因と言われています。
個人の行動や選択を分析し、理解するためには、個人の感情や心理作用に対する知見が必要となります。
そこで、個人を対象として研究してきた心理学を取り入れて、経済学的アノマリー(矛盾、例外)を解明、経済学の理論を発達させたのですね。
元々は経済学に批判的な研究と言われていた行動経済学ですが、今では世界中が注目し、政府や公的機関も取り入れ、私たちの生活に溶け込んでいます。
ちょっと難しいですよね。
これまでの経済学は広い範囲での経済圏を見ていたんですね。
消費者の行動を確認する方法は国勢調査や視聴率などありますが、個人をリアルタイムで見ることはできませんでした。
ところが今はスマホやPCなど、常に何かしらのITに触れています。
Googleで調べ物をしていたり、YouTubeで動画を観ていたり、Twitterでつぶやいていたり、Amazonでお買い物をしたりと、個人の動向が24時間リアルタイムで可視化できるようになってきたということです。
ちょっと怖くもありますね笑
でもそのお陰で、私たち消費者がいま何を求めているのか、どのような行動を取るのかのデータ分析がより正確になってきました。
多様性の時代、ひとりひとり、個人単位へのサービスやBenefitを考えるためにも、行動経済学の誕生と発展は必然と言えるでしょう。
経済学としての選択
ここまで行動経済学と経済学の違いや歴史をお伝えしてきましたが、それが私たちの日常にどう影響しているのでしょうか。
ここでは一度、行動経済学ではなく経済学を考えてみましょう。
経済学とは私たちの生活に必要なものを生産、流通させる経済活動を研究する学問です。
私たちが毎日生活していく上で必要なものは数えきれません。
例えばあなたは今、この記事をスマホで読んでいますか、PCで読んでいますか、それともタブレットで読んでいますか。
そこが自宅であれば3秒でいいので周囲を見渡してみてください。
そこが外であれば3秒でいいので身に付けているものを見てください。
何がありましたでしょうか。
たくさんのモノに囲まれていませんか。
私たちが生活していくにあたって、生活に必要なモノはたくさんありますが、それは目に見えて触れられるものだけとは限りません。
それらを営業の世界では有形商材、無形商材と言います。
有形商材:スマホ、本、車、食品、衣服、家電など目に見える物質的な商材
無形商材:サービスや、広告、金融商品、研修など物質的ではない商材
これらにはたくさんの選択肢があります。
例えばスマホなら、三大キャリア以外にも選択肢がありますし、その中でもiPhoneやandroidがあります。
iPhoneにも種類がありますし、同じiPhoneでも電気屋さんで買うか、キャリアショップで買うか、ネットで買うかなども分かれますよね。
つまり私たちは、毎日生活していく上で、多くの選択肢の中から選択をしていて、その結果(有形であれ、無形であれ)今あなたの周りにそれらがあるということです。
その選択をする際に、人間は合理的な判断をするという前提で経済学は発展してきたのですね。
それを経済的合理性と言います。
しかし、先ほどもお伝えしたように、実際には合理的どころか、非合理的でしかない選択をしてしまうのが人間です。
それらの選択を、あなたはすべて自分の意思で行っているのでしょうか。
脳科学における意思決定についてはこちら
感情の影響とは
人間は合理的な判断をするという前提で経済学は発展してきました。
それを経済的合理性と言います。
しかし、実際には合理的どころか、非合理的でしかない選択をしてしまうのが人間です。
その背景には私たち人間の感情や心理作用の影響があります。
それではこの、感情や心理作用とはなんでしょうか。
先ず感情について説明いたします。
あなたがスマホの充電器をネットで購入するとします。
同じ商品が、Aというサイトでは1,000円、Bというサイトでは1,200円で売っているとします。
Aというサイトで購入する方がお得ですよね。
でもあなたはAというサイトがあまり好きではありません。
だからあなたはBというサイトで購入したのでした。
もちろんどちらがお得かは理解した上での選択です。
合理的に考えればAというサイトで購入するべきなのに、感情があるがためにBというサイトで購入したことになります。
これはつまり、頭で論理的に考えたことよりも感情を優先したということです。
これらはBenefitでは、ファンクショナルとエモーショナルとで分けられています。
お客様は頭で考えて心で決めるとも表現されています。
この辺は就活や婚活にも当てはまりますね。
もしあなたが心を持たないロボットであれば、合理的に、損得勘定で選択したはずです。
でも私たち人間には心があるからこそ、心の影響を受けて、論理的に出された最適解を覆すことがあります。
どうしてこのようなことが起こるのか、この感情の部分をもう少し掘り下げて見てみましょう。
意思決定に感情の影響を受ける時、これまでの経験によるバイアスやスキーマと言われる思考の癖があります。
バイアスとは
偏りを意味する単語で、心理学ではこれまでの経験や固定観念に影響を受けることです。特に今回のように合理的ではないバイアスのことを認知バイアスと言います。
スキーマとは
認知行動療法では浅いレベルの認知を自動思考と呼び、深いレベルの認知をスキーマと呼びます。簡単に言えばその人の考え方の癖です。
上記のように、これまでの経験や固定観念に影響を受けて合理的でない判断をしてしまう認知バイアスや、無意識レベルでの考え方の癖であるスキーマの影響を受けてしまいます。
その結果、人間は意識的にも無意識的にも感情の影響を受けて、合理的ではない選択をしてしまいます。
これらを構成し、そうさせているのは他でもなく自分自身で、過去の自分が今のあなたの選択に影響を与えているとも言えます。
これらのバイアスやスキーマはこれまでの抽象的な経済学では理解が困難なため、ひとりひとりの心の動きを解明するために心理学を取り入れたのですね。
繰り返しますが、それで生まれたのが行動経済学です。
心理作用とは
感情について分かったところで、次は心理作用についてもお伝えいたします。
心理作用とは、心理効果とも言い、心理がもたらす具体的な効果や影響のことです。
教育、医療、救助、交通、建築、広告など、人間の状態や行動に関わる広範囲の分野で活用されています。
この心理作用にはたくさんの種類がありますが、今回は行動経済学として、実際にマーケティングに活かされている基礎を5つお伝えいたします。
プロスペクト理論
行動経済学で3人のノーベル賞とお伝えしましたが、その最初のひとり、ダニエル・カーネマンはプロスペクト理論により行動経済学に貢献し、ノーベル経済学賞を受賞しました。
そのことからも行動経済学を語るうえで、プロスペクト理論ははじめに押さえておくべきと言えるでしょう。
プロスペクト理論は損失回避性や損失回避の法則とも言います。
漢字で見た方がイメージしやすいかもしれませんね。
その名前の通り、人間は損失を避けようとする傾向を持つという理論です。
失敗したくない、損をしたくない、という心理ですね。
ただ、これだけではまだ浅い理解となります。
人間は利益が手に入りそうな場面では、利益が手に入らないことも損失として避けようとする傾向を持ちます。
少しややこしいので整理しますね。
損失の可能性のある場面では損失を回避しようとする。
利益が手に入る場面では利益が手に入らないことを損失と考え回避しようとする。
プロスペクト理論をマーケティングで活用している事例では景品や値下げに対して期限を設ける方法です。
「先着10名様限定‼」や「本日のみ半額‼」のような表示は毎日のように目にしますよね。
早めに申し込まないと損をしてしまうという心理作用を活用することで、商品の購入や成約に繋げることができます。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に印象的な数字や情報を与えることで、その後の意思決定に影響を与える心理効果です。
アンカリングとはその名前の通り、船の錨を下ろすという意味で、錨の下ろした地点の情報がその後の判断基準になっていきます。
広告や店頭では、ただsaleと表示するよりも、「全品表示価格よりも3割引き‼」や、「通常19,800円のところ、本日のみ10,000円引きの9,800円‼」のように表示したほうが効果的です。
つまり、最初に印象的な数字、19,800円という数字を与えアンカリングし、その情報を基準として、そこから10,000円引きの9,800円と伝えることで、最初から9,800円と伝えるよりも判断基準に影響を与えるのですね。
これはお客様の中で、他社の価格など、標準的な価格が知られていない、アンカリングされていない状態ほど効果が大きくなります。
サンクコスト効果
サンクコストとは、費やして取り戻すことの叶わない時間やお金や労力のことを言います。
サンクコストやサンクコスト効果、サンクスコストバイアス、または埋没費用などと使います。
よくある例
①入会金を払って始めた月額制のサービスを、もったいないからと続けてしまう。
②映画館で観る映画の内容が、つまらなかったが最後まで観てしまう。
③せっかくお買い物に遠出したのだからと、大して欲しくないものを買って帰る。
つまり、既に時間やお金、労力を割いているので、ここでやめたらもったいないと感じてしまい、必要のないサービスを続けたり、欲しくもないものを買ってしまうことです。
スマホゲームのガチャも同じ仕組みです。
おとり効果
おとり効果とは、ほとんど選ばれないであろう商品を選択肢のひとつに加えて見せることで、買ってもらいたい商品が選ばれやすいようにすることです。
これはバスケやサッカーでもよくありますね。
あえてパスルートを空けておとりを作り、他に誘導すると言えば分かりますでしょうか。
※おとり効果については心理用語の方で改めて詳しく解説いたします。
現在志向バイアス
現在志向バイアスとは、先々(未来)の利益よりも目の前(現在)の利益の方の方を優先してしまう傾向のことです。
「今日から使えます」「来月から会えます」などのように、先々ではなく、すぐに利益が得られることを、実際の利益よりも高く見積もってしまうのですね。
※現在志向バイアスについては心理用語の方で改めて詳しく解説いたします。
まとめ
それでは本日のまとめです。
一緒に要点を振り返ってみましょう。
①人間は合理的な行動を取るという前提だった経済学に、心理学を取り入れた新しい学問。
②経済学では説明のつかない矛盾や例外の背景には、人間個人の感情や心理作用がある。
③人間は感情や心理作用により、非合理的な行動を取ることがある。
④人間の感情を構成するのは、経験によるバイアスや考え方の癖、スキーマがある。
⑤心理作用には様々あり、その多くは既にマーケティングに活用されている。
いかがでしたか。
行動経済学と聞いてピンと来なくても、心理作用の専門用語は知らなくても、それらはマーケティングとして、私たちの日常の至る所に活用されていることが分かったのではないでしょうか。
ご紹介したのは一例で、実際にはもっと多くの場面で活用されていて、私たちは選んだつもりで選ばされていると言っても過言ではありません。
行動経済学はマーケティングやネットだけではなく、自治体や行政、政府などにも広がっていて、今後はますます身近に感じることでしょう。
次回はもっと詳しい部分や、私たちの日常に、今後どのように関わってくるのかについてお伝えいたしますね。
心理作用、心理効果の用語については、心理学と被る部分も多いので、また別にまとめようと思っています。
それではここまで読んでいただきありがとうございました。
かのんでした♪(≧▽≦)
この記事はまだ修正加筆をいたします。2022.01.19